【はじめに】
愛する家族であり、かけがえのないパートナーであるペット。 その存在が大きければ大きいほど、日々の衰えを感じ、別れに直面したとき、私たちの心は深く揺れ動きます。
「もっとできることがあったのでは…」 「心にぽっかり穴が開いたような気がする」 このように感じるのは、あなたがそれだけ深くペットを愛し、豊かな時間を一緒に過ごしてきた証です。
【この記事のあらすじ】
この記事では、宮城県登米市で「森の切り絵工房 あるとこ」として木象嵌(もくぞうがん)作品を手掛ける筆者が、保有するマインドフルネススペシャリスト資格の視点と、地元の専門家による取り組みをご紹介しながら、ペットロスという深い悲しみとの向き合い方をお伝えします。
また、写真とは異なる形でペットとの記憶を残す「天然木のペット肖像画」という表現手法、 登米市内で心を穏やかに整えることができる祈りの場所についてもご紹介します。
1.ペットロスは自然な心の反応~悲しみに気づき、そっと受け入れる~
ペットロスとは
ペットロスとは 大切なペットを失った後に感じる、深い悲しみや喪失感を指します。 心と体に症状が表れることも少なくありません。
<心と体に表れる主な症状> 心の変化:強い喪失感、深い悲しみ、罪悪感、虚無感、無気力、怒り、苛立ちなど 体の変化:食欲不振、不眠、頭痛、動悸、体のだるさなど
これらは、ペットロスと呼ばれる自然な心の反応です。 かけがえのない存在との別れに直面した時、心に表れる反応の度合には個人差があり、 ペットロスの症状が長期化する場合もあります。
悲しみを和らげるための5つの方法
①感情を素直に受け入れる
まず、最初にお伝えしたいのは、「今感じている気持ちを素直に受け入れる」ということです。 自然に湧き上がる感情を、良い悪いと判断することなく、素直に受け入れる 「自然に涙があふれてきた」 「私は今、とても悲しんでいるんだな」
「今、ここ」の感覚に意識を向けて、言葉としてかたちにする。 声に出してそっとつぶやいたり、紙にペンで文字を書いたり

かたちになった感情を素直に受け入れて、自分の感情に気づいていく 「気づく」ことの積み重ねが、時間をかけてゆっくり気持ちを和らげていきます。
飼い主さんとペットの数だけ存在する かけがえのない想い まわりと比べることなく あせらず自分のペースで。
②ご家族や知り合いに相談する
自分が気づいた気持ちやペットとの思い出を、親しい人と共有することで気持ちが和らぐこともあります。
ここでも大切なことは、まわりと比べない、無理に話そうとしないこと。
誰かと会話をすることで気持ちが和らぐ方もいれば、 静かにご自身と向き合いながら気持ちや思い出を整理して過ごす方もいる。 それぞれ自分のペースを大切に。
ペットロスを「乗り越える」のではなく、「悲しみと共に歩みながら、時間をかけて愛おしい思い出に変えていく」
それが、心が少しずつ平穏を取り戻すためのプロセスです。
③ペットケア専門家に相談する
ペットケア有資格者が営む施設では、ペットケア専門家としての知識や経験にもとづいた、 ペットロス相談が行われています。
例えば、登米市迫町を拠点に、シニア犬のケアや介護予防を行っている「Dog Life Support 栞」様では、 老犬介護相談サービスのメニューとして、介護相談、ターミナルケア相談、そしてペットロス相談を実施しています。
「大切な家族を失った悲しみや後悔などお気持ちをゆっくりお話しいただける時間です」
(Dog Life Support 栞 様 公式ホームページより引用)
ペットのシニア期や介護期、そして最期の瞬間にかけて、 「もっと早く病気に気づいていれば…」 「あの時もっと優しく接していれば…」
後悔の念を抱く方は少なくありません。
・介護期や最期の日々に、ペットと過ごした愛おしい時間
・夜泣きや排せつのケアに寄り添った時間
・日々の歩行補助や食事の工夫
・声をかけ、体を撫でてあげたひと時
これらはすべて、あなたがペットへ贈った、かけがえのない愛情の形です。
「もっと〇〇すればよかった」という気持ちが浮かんできた時は、 「あの子のために、自分は〇〇をしてあげたんだ」という事実を ひとつひとつ思い出してみてください。
地域の専門家による適切なサポートを受けながら、 生前からペットとの思い出を丁寧に残したり、感謝を伝える時間を持ったりしておくことは、 将来的なペットロスの重症化を防ぐ大切なケアにもつながります。
④医療機関に相談する 気持ちの落ち込み、不眠、食欲不振などが長期間つづく、 「消えてしまいたい」という思いが強くなるなど、 日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科などの専門医に相談することも大切です。
「こういうことで受診していいものか…」 「私は大丈夫」 「そこまで重症ではない」
心療内科、精神科の受診に抵抗があるかもしれませんが、 大切なペットを慈しんでいた、あなたの優しくあたたかい気持ちを 今は、ご自身の体を労わるために向けてあげてください。
⑤ペットとの思い出をかたちにする

ペットと一緒に過ごしてきたかけがえのない時間 別れの瞬間から月日が流れて 会えないからこそ つのる想い
「もう一度…あの笑顔、優しい表情を見つめていたい」 「あたたかくてモフモフした体を、ずっとなでていたい」
たとえ肉体がなくなったとしても わが子への想いは、ずっと胸の中に生きつづける
気持ちが落ち着いてきたら ペットの存在を身近に感じられる場所をつくり 心の拠り所とすることで、より深く気持ちが落ち着いていきます。
<思い出のかたち(メモリアルグッズ)の例>
写真:生前撮影した写真を部屋に飾る、スマートフォンに保存している愛犬の写真を眺める
お供え物:小さなお花、大好きだった食べ物、遊んでいたおもちゃなどを飾る
ミニ骨壺や遺骨ペンダント:手元供養として、遺骨や体毛の一部を保管する
オーダーメイド品:生前の姿を再現したクラフト品を制作する
ご自身のお気持ちにあわせて、段階的に供養のかたちを変えていく方法もあります。
2.手づくりのぬくもり、想いをかたちに~天然木の象嵌(ぞうがん)肖像画~
ペットの姿が写ったお写真は 携帯電話やスマートフォンで手軽に撮影できて、ペットの息づかいが感じられるほどリアル
「写真を毎日眺めていたい」と思う方がいる一方で、 「写真を見るのが辛い」「鮮明すぎて心が苦しい」と感じる方もいます。
そのような中で、ひとつの表現手法として選ばれているのが、 天然木を用いた木象嵌(もくぞうがん)のペット肖像画です。

私が木象嵌の世界に深く引き込まれたきっかけは、静岡県伊東市にある「森のぞうがん美術館」との出会いでした。
「森のぞうがん美術館」~ペットへの想いがあふれる場所~

館内の壁面いっぱいに飾られた愛犬・愛猫たちの肖像画作品。 たくさんの作品に囲まれた、木のぬくもりと命の優しさに満ちた空間。 この場所で、現在の師匠と出会い、天然木の色と木目を活かして命の輝きを表現する技術を学びました。
宮城県から静岡県へ。 定期的に修行に通う中で、作品に込められた想いを感じる場面も多々ありました。
愛犬家の師匠ご自身もペットロスを経験。 「愛犬と一緒に歩んできた人生、想いがつまった家族の物語を木象嵌作品として残せないか?」
わが子への愛と祈りから生まれた愛犬の肖像画。
多くのお客様が森のぞうがん美術館を訪れ、ペットとの思い出を語る姿に触れた経験が、 現在の「森の切り絵工房 あるとこ」の作品づくりの原点となっています。
なぜ「天然木」が心に優しく寄り添うのか?
木象嵌によるペット肖像画は、世界中から集めた300種類以上の天然木を使用しています。 着色料や塗料を使用せず、天然木の「自然の色と木目」をパズルのように組み合わせて、ペットの表情を表現しています。

①木目の表情と心地よさ
天然木の木目は、木目の間隔が広くなったり狭くなったり、ひとつひとつが異なる模様を持っています。
この木目の間隔には、「1/fゆらぎ」と呼ばれるゆらぎが存在しています。
「1/fゆらぎ」 暖炉の火、波の音、小鳥のさえずりなど 自然界にも存在する微妙なずれ(ゆらぎ)が人間の五感を心地よく刺激し、 安心感やぬくもりを与えると考えられています。
②触れることができる立体感
天然木の作品は、直接手で触れて木の質感を感じることができます。 300種類以上の木材は、ひとつひとつ材質が異なるため、 完成した作品をなでると指先で微妙な凹凸が感じられます。
ペットを優しくなでていた、あの日のぬくもりを重ね合わせるように、 優しく触れることができるのも、木象嵌作品ならではの特徴です。
③優しい存在感と経年変化
天然木特有のやわらかな色彩は、室内やインテリアにそっと溶け込み、 「いつも側にいてくれる」という穏やかな安心感をもたらします。 天然木特有の経年変化により、年を重ねるごとに深みのある飴色に変わっていく作品からは、 愛犬とともに年を重ねているような、優しい存在感を感じられます。
木象嵌のペット肖像画の制作プロセス

木象嵌のペット肖像画の、基本的な制作の流れをご紹介します。
①線画の制作:ペットのお写真をいただいて線画を制作する
②天然木の選定:ペットの毛並み、体の色にあわせて、使用する木材を選ぶ
③天然木の切り抜き:ひとつひとつのパーツをカッターで切り抜く
④はめ込み:切り抜いたパーツを隙間なくパズルのようにはめ込む
⑤仕上げ:はめ込んだ木材の表面を丁寧に磨き上げ、仕上げ塗装をする
3.まとめ:あなたのペースで、ペットとの思い出をあたたかな光に
ペットロスの悲しみは、あなたがペットへ注いだ、深く尊い愛情の裏返しです。 無理に乗り越えたり、他人と比較したりするものではありません。 今の自分の感情を優しく包み込んであげること 信頼できる人と気持ちを共有すること そして、思い出をかたちに残して慈しむこと
様々な方法がありますが、あなたがペットに贈ってきた「あたたかな想い」とともに、これからも「愛するわが子との物語」を歩み続けていくことを願っています。

【森の切り絵工房 あるとこ】 では、天然木の色と木目を活かした「木象嵌のペット肖像画」や「切り絵作品」を制作しています。
少しずつ思い出をかたちにしたいと感じた時、ご自身のペースでお気軽にお声がけください。
公式LINEでのご相談・お問い合わせ (1対1のトークで、お写真をお送りいただきながらご相談いただけます) [公式LINEの友だち追加・ご相談はこちら]
公式インスタグラム (これまでに制作した作品や、工房の日常をご覧いただけます) [森の切り絵工房 あるとこ 公式インスタグラムはこちら]
また、【森の切り絵工房あるとこ】がある宮城県登米市には 古くから人々の暮らしや動物たちの命に寄り添ってきた歴史あるスポットが存在します。 ペットと過ごした日々を思い出しながら、ゆっくり気持ちを整理する中で、 「楽しかった」 「幸せだった」 「ありがとう」 という気持ちが湧いてくることもあります。 ペットがいたからこそ出会えた人、見られた景色、一緒に過ごしたかけがえのない時間を思いながら、静かにゆっくり過ごせる場所をご紹介します。
愛犬の幸せを祈り、心を鎮める場所として、静かに訪れてみてはいかがでしょうか。
① 登米神社(とよまじんじゃ)

登米市登米町(とよままち)に鎮座する登米神社(とよまじんじゃ)様は、 豊かな自然に囲まれた格式ある神社です。 犬にまつわる神社として、数年前からペット祈願を執り行う登米神社。 元気な愛犬と一緒に参拝し、日々の健康や長寿を祈願するのはもちろん、 「これまで一緒にいてくれてありがとう」という感謝のご挨拶(お礼参り)をする場としても親しまれています。
②華足寺(けそくじ)

登米市東和町(とうわちょう)には、古くから地域の人々に信仰されてきた観音堂があります。 この地で祀られている馬頭観世音菩薩は、 馬や牛をはじめとする家畜や動物を慈しむ「動物の守護仏」としても深く信仰されてきました。 境内には華足寺ペット霊園も併設され、 人間と共に過ごした動物たちへの感謝や、冥福を祈る文化が今も息づく場所です。
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